2024年12月11日水曜日

鳥のまな板

 まな板は四角ばった物が一般的です。それは長い間、人類がまな板に対して効率や機能性のみを求めてきた結果だと言えるでしょう。

デザインの観点から言えば、四角におさまってばかりいては切っておさめるだけで、残るところ材質の詳細が云々と言ったことが一次的に重要視されるところに留まって、デザイン進化の過程から見れば極めて原始的な段階に留まっていました。そのため単一の機能しか持つことができず、そこに美意識など入る余地もありませんでした。

かつて建築家の丹下健三は、『美しきもののみ機能的である』と謳ってました。

ここでいう機能的とは、物質的次元の使いやすさや利便性だけでなく、形が精神に与える影響をも含んでいる様に感じ取れます。

かつて文様のデザインが重要視され生活の隅々まで装飾されていた時代がありました。こういったものはほとんど機能性が無いものとされて排除されてきましたが、機能があくまで物質的次元に貶められ精神性をないがしろにされてきました。

フォルムデザインでは、美しきものには、まだまだ人類が知りえていない未知の機能あるいは人類が失ってきた機能が秘められていると確信しております。