2019年2月21日木曜日

しいたけのほだ木を作り

 今年は薪狩りでコナラが手に入ったので、数年ぶりにシイタケを作ることにしました。
ホームセンターで売られていた種菌を買ってきて、丸太に穴を空けて、そこに菌をしみこませた弾を埋め込んで寝かすこと2年でシイタケができます。

 言うのは簡単ですが、一番重要なのはシイタケの環境。
人工的に森の中を演出してあげないとシイタケは目覚めませんし育ちません。


 以前は、それで収穫は芳しくありませんでした。

  今回は違います。ほぼ完ぺきと言っていいほど人工的な森ができたので、そこに寝かして上げます。
人工的といても遮蔽シートを張って温度を一定に保つ設備など施しません。

 私はこの10年狭いながらの土地に森を作ることを考え、実践してきました。

 教わったのは潜在的自然植生の提唱者で知られている宮脇昭氏。
一坪の土地でも森を作り、環境を元に戻していきながらそこで人間のまともなライフスタイルを実践していく姿勢に共感しました。

 10年前から、潜在的自然植生にそって木の苗を植えてきました。
シイタケのほだ木を寝かしておくのは15年前から準備してきたドームの中です。

15年も経つうちにオオイタビが上まで覆い、その外観は巨大なキノコ状になってきました。
強風を遮り、一定の温度と湿度で森の中の薄暗い明るさを演出しています。
今では他に数種類のカズラとつるバラが覆い始めています。
この森化したドーム、他に同じようなものはないかと探してみると、やはり井上直久氏の絵画の中にちゃんとありました。
氏の絵画に出てくる建物はたいてい屋根や壁も植物が覆い一体となっています。
我々の文明はいったん活動がストップし10年も経てば、近代的な住宅や建物が蔦や緑で覆われて幻想的な廃墟と化していきます。

 現状の活動は崖っぷちの極みに達していますが、それにストップをかけて再生する方向に舵を取って行かなければなりません。

 その方法は緑を植えること。浄化作用を促進する一番の方法は無くした植物を蘇らせることです。
しかも人間がいなくても本来その土地の気候で育つ植物を選ぶことが重要です。

 そして、この潜在的自然植生にそって家や住宅の周りを森化し畑や庭・公園を作り変えていくことが本当はもっとも効率がいいのです。潜在的自然植生を考慮しないまま流行りの植生で行った場合、いずれは、振り出しに戻ってしまいます。

 森の中で野菜や家畜・子供たちを育てること。その方法は全くと言っていいほど世に出てはおりません。
それはこれから人類が実践していくことだからです。