2023年1月12日木曜日

古代コンクリートを作る

 なぜ古代コンクリートは何千年も壊れないのだろうか?

今日使われない理由は?


古代コンクリートを作るにはまず、火山灰・石灰・海水を混ぜてモルタルを作製し、それをコンクリートの骨材となる軽石と混ぜて型枠内に流し込みます。

火山灰と海水と生石灰が混ざると、結合能力を持つ化合物が生成されるポゾラン反応が発生し、凝灰岩ができる時の要領で人工の岩が完成するわけです。


では、なぜこんなにも古代コンクリート(ローマン・コンクリート)の耐久性が高いのかという化学的理由は。

現在一般的に使われているコンクリートは製造過程で大量の石油を消費します。それによって石油産業が維持できるようになっています。

こんな石油依存の時代が200年も続くと地球環境はボロボロになってきています。


現在のコンクリートは200年ほど前に発明された(ポルトランドセメント)に砂・砕石を混ぜてできてます。水と反応するとすぐに固まるので工期が短かくて済む半面、寿命が短い。サイクルが短いので関連する業界は潤いやすいのです。

それに対して古代コンクリートは混ぜた後、ゆっくり化学反応が進み、長期にわたって強度が増していく特徴があります。

その代わり、一度施工するとほぼ永久的に地上に残り石化していくので現代文明の産業は成り立ちません。石灰岩や貝殻を焼く窯と火山灰と海水があればできるので、巨大な工場など必要なく家庭で古代産業を興すことができるのです。


そこで私もこのコンクリートについて学び研究し実験することにしました。


骨材とモルタルの間のミネラルの連晶がヒビを防ぐということにあるそうです。現代のコンクリートの骨材の表面は化学反応を起こさないので構造物が長くなるほどヒビが入りやすいのです。

化学反応の過程でアルミナトバモライトが成長することでコンクリートはより硬さを増していきます。

長期にわたって成長しながら硬さを徐々に増していく。まるで生きている有機的な岩ですね。

この『成長』は現代では一般的に悪い意味で捉えられる「腐食」のプロセスにあたるそうですが、これを利用して古代のコンクリートはさらに強度を上げるというわけです。


材料は生石灰+火山灰+海水の三点だけです。

または、

生石灰の代りに焼成した貝殻でもかまいません。つまり科学的成分(酸化カルシウム)が同じであるからです。

また海水の替わりに荒塩とにがりを溶かした水でもかまいません。

構造材に使う場合はより強度を持たせるために以上の混合物に軽石やレンガを砕いたものなど吸水吸着が良く軽い材質のものを混ぜます。

ちなみに日本の三和土(たたき)はこの消石灰に粘土と水を混ぜたものです。

水の代わりに海水を混ぜると、海岸の護岸工事の際は抜群の耐久性と耐食性が保たれます。

粘土と火山灰では混ぜた時の化学反応が違うので耐久性・耐候性はそれぞれ異なってくるでしょう。


【注意】間違って生石灰の代わりに消石灰とかの他の名称の石灰を入れても固まりません。実は一昨年、私はこの実験に取り組み消石灰を使ってみましたが、屋外に置いておくと数カ月でボロボロになって崩れました。化学反応が全く違うのでしょう。

📷石灰、生石灰、消石灰、苦土石灰、有機石灰の違い https://www.harusa-life.com/knowledge/tuchi/post-25.html


How To Make Roman Concrete

https://youtu.be/tOhAfaFboNU

How To Make Improvised Roman Concrete (Corporal-Crete) https://youtu.be/qj7kr2ho800


火山灰の入手先、近々私の方でパック詰めにして販売していこうかと考えています。

生石灰の入手先:粉末-生石灰【20kg】https://www.tama5ya.jp/product/1523


以下、gigazine.netより全文転載
https://gigazine.net/news/20170705-ancient-concrete/

2000年もの耐久性を誇るローマ時代のコンクリートは海水の腐食によって強度を上げていた


コンクリートというと近代技術だと思いがちですが、実は古代ローマにも「ローマン・コンクリート」という建築材料が存在し、パンテオントラヤヌスの市場といった建築物で使われていました。現代のコンクリートの寿命は100年程度だと言われているところ、海中から見つかったコンクリートの構造物は実に2000年の年月に耐えたということで、「なぜこんなにも耐久性が高いのか?」と研究が進められていたところ、海水の腐食によって強度を上げるという仕組みだったということが最新の研究で発表されました。

New studies of ancient concrete could teach us to do as the Romans did
https://phys.org/news/2017-07-ancient-concrete-romans.html

Phillipsite and Al-tobermorite mineral cements produced through low-temperature water-rock reactions in Roman marine concrete | American Mineralogist
http://ammin.geoscienceworld.org/content/102/7/1435

ユタ大学の地質学者マリー・ジャクソン氏が行った研究によると、ローマン・コンクリートの結合力はその構造と海水に含まれるミネラルによるもので、コンクリートの隙間を海水が通り抜けることで、ミネラルの結合を強めるという構造とのこと。実際に、紀元後79年ごろにガイウス・プリニウス・セクンドゥスが記した「Naturalis Historia」という書物の中には、海水にさらすことで耐久性を上げることができるコンクリートの構造物について記されています。


コンクリートを作るにはまず、火山灰・石灰・海水を混ぜてモルタルを作成し、それをコンクリートの骨材となる火山岩が入った型枠内に流し込みます。火山灰と水と生石灰が混ざると、結合能力を持つ化合物が生成されるポゾラン反応が発生し、凝灰岩ができる時の要領でコンクリートが完成するわけです。

現代モルタルの材料として使われているポルトランドセメントでも砂や砂利などが骨材として使われていますが、ローマン・コンクリートとの大きな違いは、それぞれの粒子が化学反応を起こさないように構成されているということ。化学反応が起こるとコンクリートがジェル状になり、ヒビが入ったりと耐久性がなくなってしまうためです。


ジャクソン氏が調査を行ったところ、なぜこんなにもローマン・コンクリートの耐久性が高いのかという理由の1つは、骨材とモルタルの間のミネラルの連晶がヒビを防ぐということにあるとのこと。現代のコンクリートの骨材の表面は化学反応を起こさないので構造物が長くなるほどヒビが入りやすいのですが、ローマン・コンクリートは構造物に長さがあってもミネラルの連晶によってヒビが入りにくいのです。

また、2002年から2009年までに行われた別のプロジェクトにジャクソン氏らが参加したところ、海水につかったローマン・コンクリートのモルタルからアルミナトバモライトという珍しいミネラルを発見したとのこと。アルミナトバモライトはポゾラン反応によって石灰の粒子の中で結晶化されているのですが、もしアルミナトバモライトを人工的に作り出そうとすれば非常に高温の研究室を必要とし、しかも生成される物質はごく少量になってしまうので、ジャクソン氏は「アルミナトバモライトを作り出すのは非常に難しい」と語っています。

新たな研究でジャクソン氏らがミクロ回折やマイクロ蛍光分析といったさまざまな方法で調べたところ、アルミナトバモライトやフィリップサイトといったミネラルがパミスの粒子や孔から発見されました。これまでの研究結果を見たジャクソン氏らは、ポゾラン反応だけではコンクリートの寿命は限られているため、別の何かがコンクリートが完成してから100年後にも温度の低い環境でミネラルを成長させているはずだと考えていました。そして、今回の調査で、海水がコンクリート製の防波堤や桟橋を通り抜けることで火山灰の成分が溶け、ミネラルが成長したことを結論づけたというわけです。


アルミナトバモライトは珪酸が多く含まれた物質で、火山岩の中にある結晶と同じような形をしています。結晶は平たく母岩を固く結びつける力を持つため、アルミナトバモライトが成長することでコンクリートはより硬さを増していきます。現代では一般的に悪い意味で捉えられる「腐食」のプロセスを利用して、ローマン・コンクリートはさらに強度を上げたというわけです。

ではなぜ、このローマン・コンクリートが現代でもポルトランドセメントの代わりに使われないのか?というと、「レシピが完全に失われた」ためだとジャクソン氏は語ります。もちろん古代ローマの文書を解読しようという試みは行われているものの、正確な方法は2017年現在、まだ分かっていません。また、海水の中で強度を上げていくには時間がかかり、またポルトランドセメントに比べて圧縮強度が低いという理由から、そのまま現代で広く活用されるという可能性は低いものと見られています。


一方で、潮力発電用の人工ラグーンをイギリスで作る計画があり、建設コストをカバーするには120年は稼働する必要があると考えられています。そこで、腐食に耐えられるラグーンを作り出すために考えられているのが、ローマン・コンクリートの技術とのこと。ただし、長期間にわたる化学反応がどのようなものかについては、まだ謎が多く残っているため、ジャクソン氏らは引き続き研究を行っていくとのことです。

2023年1月11日水曜日

薬木のセンダン

3年物の苗を買って植えたのが7年前。10年でこんなにも大きくなったセンダンの木。

そもそも7年前に友人の家にツリーハウスを作って以来、自宅にも作ろうと苗を植えたのが始まりで、剪定のたびに後々どのようなツリーハウスを作ろうか想定しながら樹形を整えてきた。

成長の早い木は庭木には適していないが、それは武家社会の庭を真似てきた都会人の発想だと思う。

四国のある地方ではこの木をやしきの片隅に植えておくと周囲30メートルは虫が寄り付かないと言われている。
特にセンダンの実は強力で天然の農薬と言われている。
調べると出ていることで、害虫駆除に効果があるが、人畜には害があると警告が出ている。

しかし、かつて私はこの木の実を馬がたくさん食べてるのを見たことがあり、今でも元気に暮らしている様子から、そのようには思えなかった。
びわの種と同じように医学的効果があるのを広めたくない勢力によってそのようなフェイク情報が定説になったのだろう。

江戸時代には、処刑場の生首をこの木で作った板の上に置いて晒していたそうだ。そうすることでハエが寄り付きにくかったのだと。
それが所以で日本ではこのセンダンの木は忌み嫌われている。

ところがインドではアユールヴェーダという漢方に近い薬学が根付いており、その中でインドセンダンはポピュラーな薬草とされている。
根から樹皮・葉っぱ・実に至るまで全て薬効成分とその効果が長い歴史を通じて実証されている。

センダンのことをインドではインドニームと言っているが、日本の方は品種が若干異なる。こちらは寒い地方でも育つ。
薬効成分はより強力なのではないかと私は感じている。

近年日本の研究者はその葉っぱから抽出成分を取り出して抗癌作用に効果があることを発見し、それはセンダンエキスと言う名で市場に出回っている。https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1388182
センダンエキスの製造方法