2016年5月31日火曜日

バラのような名前を持つクリスマスローズをご存知だろうか。
この10年くらいで日本でも愛好家が増え定着してきた。

ローズといっても愛称で、正式な名前はヘラボレス。
クリスマスの時期に咲くバラの花に似ているところから名付けられた。


これはバラと違ってまだ犯されていない。だから良い。
それにだれでも容易に育てることができる。特に肥料もいらない。

ただ、花は美しいのだが、うつむき加減で、どこと無くしだれた姿がもったいない。
最初は値段が高いばかりで、この花のどこが良いのかと思っていた。
だが、これも長年植えっぱなしで放任していた末、花が咲くとその姿に心が動かされた。
じっと花の形を見ていると、自身のエゴが削られていくのだ。
そのしだれたうつむき加減が人生の謙虚な心を指し示してくれる。
心の中の驕りと言うか、見栄えに気にする人間の心が人工的なバラと重なって見えてくる。

クリスマスローズは冬の間ずっと咲き続けてくれるのでありがたい。今の時期はもう枯れているがライム色に変わって残っている。

先日、あたしは花の咲いてないこの時期に新たな苗を買った。値段が半分に下がっているたからだった。

以前買った時は10年近く前だったが、その時と違って今では色んな色彩が出ている。
調べると、バラのように決まった名前が付かないそうだ。

自然交配で花の形や色彩が容易に変わって一定の状態を保てないというアバウトなところが良い。
家庭園芸でも人工交配が容易なので、どうやらバラのようにはなりにくい。あたしの性分にはあっている。

今年のクリスマスはどんな色彩で花壇を飾ってくれるか今から楽しみにしている。






2016年5月30日月曜日



バラに魅せられて早10年、その間買った苗6本。内5本を1年で枯らし、生き残ったのはこのバラ、 ピエールドゥロンサールのみ。

ほとんど追肥も農薬も使わないので毎年夏になると虫に喰われて丸裸。だから5年以上経っても私の背丈程度にしか成長していない。
それでも今年も何とか花を咲かせてくれた。
たった三つの蕾だったが、うっとりしてしまう美しさがある。

この辺で私の性分としても懐具合としても限界だな、もう2度とバラは買うまいと決めていた。

バラを調べると、異常な世界だ。
人間もこんな風になってしまったらおしまいだな。そう思えるくらい交配・遺伝子操作されて過ぎていて、人間の欲なしには生きていけない状態になっている。

私が長年植物に触れてきて思うことは、まともな人間性に基づいて遺伝子操作すれば、植物を手助けし、より健康的な状態にもっていけるだろう。植物は長い時間をかけて自らの姿を変容したり修復したりしてきている。それを人が人工的に行なうことは植物との共同創造であると捉えている。

だが今日のバラは、肥料を買わせるため・農薬を買わせるための、そして人間の異様な美感をくすぐってバラ業界の家元がピラミッド型経済の独占支配と維持のための、犠牲にされている。

そこで、どんなバラがお勧めかと言うならば、

私がバラに懲りずにあえて言うならば、かけ合わせの少ないオールドローズが良い。
ほとんど手間のかからない放任で育つバラがある。

たとえ見かけが美しくてもHT・フロリバンダという表示がついていたら、絶対に買わないほうがいい。
買ってうまく育てている人もいるが、それはマニア・ある意味私に言わせれば美意識をあやつられており、それはそれで否定はしない。


その一方、オールドローズのなかには強健すぎて棘も強いし成長も激しいのがある。
適当にばさばさと剪定する程度。
花咲が良いのもいっぱいあるそうだ。

これだともう一度バラにトライしてみようかなと思っている。